今週のお題は”パッケージ作成の敵!!”ということで・・・
パッケージ作成時には色々な敵が存在します。
今日の敵は”湿気”です。
正確にいうと乾燥もそうなので・・・、湿度という事になります。
この”湿度”というのは結構厄介で、色々な弊害を生みやすい環境となります
簡単な例を挙げていくと、まずは紙癖の悪さ。紙癖とは以前書いた紙目と関係し、
パルプ同士を繋ぐ繊維の方向が一定に流れていることから、湿気を吸い込んだ原紙が
乾燥する段になって、縦方向と横方向の繋ぎ合わせる力の強さが変わる・・・
すると、紙がスルメイカの様にくるりんと巻いてしまう・・・
印刷できない・・・
抜き(トムソン)加工出来ない・・・
なんてことになってしまう事もあります。
これは酷い例ですが、実はもっと厄介なのが微妙な吸保湿による原紙の伸縮です。
これは、1枚の原紙に多面付している場合に、見当が合わない・・・
印刷時には問題なかっても、それを抜く時に見当が合わないという現象が出てきます。
色の縁取りがしてある様な形状では、真ん中に位置している商品は均等な縁取りが
出来ていても、端の商品は縁取りが右に寄ったり、左に寄ったりしてしまいます。
また湿度が高いと印刷乾燥に時間が掛かってしまったり、工程数(移動)が多いと
その間に吸保湿を繰り返す回数が増え、同じ現象が起こったりしやすいので
注意が必要です。
また、プレスコートの様に加工自体に高温となるセクションがある場合は、
プレスコート加工終了時点で採寸して、それから木型を作る場合もあります。
最も気を付けなければならない原紙は、蒸着PETを貼り合わせてある加工紙で
これは乾燥すると静電気を起し重なり合ってしまったり(重送)、湿気を含むと
乾燥時の水分の排出がPETフィルム面からはされず、パルプ面の片側から
行われる為、カールしやすい状態になります。
勿論、印刷時は原紙を直前まで包装紙から出さないようにしたり、室内湿度を
一定に保てるような設備を設けたり、加工後次工程に移るまでは外気になるだけ
触れない様に保管したり、工程間にあまり長い時間をかけないようにしたりして
未然に防止策をたてています。
ただ、目に見えない湿気ですから・・・
原紙の時からの保湿量も影響しますし・・・
ウーン、悩ましい目に見えぬ敵・・・”湿気”・・・・厄介です!!