パッケージを製造する際の・・・敵・壁・お化け?②

今回は先週(10/16)分の『パッケージを製造する際の・・・敵・壁・お化け?①』の続きです。

 

化粧箱には、細か~いことがありまして、、、、
細か~い話なので、分かりづらい部分も多いと思いますが、
細か~い話ですが、非常に大事な部分でもありますので、よろしくどうぞということで、まずは『敵』ということで、“湿気”のお話でしたね。

そして、『壁』ということで、寸法・紙厚・通し枚数のお話もさせて頂きました。ご興味のある方は、まずこちらをご覧ください。

ということで、続きまして、最後の『お化け?』のお話になります。

 

パッケージ作成の際の『お化け』

ゴーストとは?

オフセット印刷における印刷図柄にて同じインキを使用する図柄の印刷の咥え方向からみた垂直なラインのその箇所毎のインキの消費量の差によって発生する色の濃淡の差のことであり、その濃淡の濃い方があたかも他のインキが表現している図柄が写りこむように表現される。本来いないものがいる。ぼんやりと図柄が表現されていることなどから「ゴースト」と呼ばれているようです。

少しややこしい書き方になりましたが要は「写っちゃいけないものが印刷された!」ということです。まさに心霊写真のような感じで、当然そんな状態ですので商品としては問題ありの怖い現象と言えます。

ではこのゴーストの発生原因と言いますと同じ色のインキの、咥え方向から見て垂直なラインがライン「A」では印刷するのにそのインキを消費する箇所が10箇所ありそれぞれ色の濃度としては1程度の濃度が目標とします。となるとインキの供給は10×1なので10がベストと言えます。対して隣のライン「B」では消費する箇所が5箇所で色の濃度は同じ1程度だとしますと、供給量は5が良い加減だと言えます。

しかしインキの供給量は「印刷デザインにて各パーツのインキの消費量が大きく異なる場合」にも書いております通り、そこまで細分化しての調整は難しいので5の消費で済むライン「B」にも10のインキを供給してしまいます。

仮に調整できてもローラーの動きなどで結局左右にインキは移動します。さて、そうなりますと供給が10に対して消費箇所が5箇所なのでそれぞれの濃度は2になってしまいます。当然色の濃さは1よりも2の方が濃いので同じ色を表現したいはずなのに濃淡の差ができてしまう。

そしてその現れ方がライン「B」と同じライン上にある他のインキで表現している図柄(エンドレス柄等に顕著です)のように現れる。

と、ゴーストの説明をさせて頂いたのですが・・・難しいですよね?
百聞は一見に如かずで、お問合せ頂ければ、現物をご覧頂けるのですが。

ゴーストの抑制方法

せっかくですので、その続きとしてゴーストに対しての抑制方法について紹介していきます。

まず、製版の時点での話としてはゴーストの発生が予想されるライン上に、他のラインのインキの消費量と同程度だけ消費できるように色帯をつける。という方法が有効です。ゴーストは他のラインに対して同じ色のインキの消費箇所が少ないラインに、消費箇所が少ないが故に各箇所へのインキの供給濃度に差がでることで発生するものですので、その消費箇所が少ないライン上に他の箇所と同じぐらいインキを消費できるほどの色帯を太くつければ、各箇所へのインキの供給濃度の差が小さくなりますのでゴーストが発生しても、目立ちづらくなります。

そのためゴーストが出そうな図柄だと判断できた時点で色帯を通常の色合わせの為に必要な細いものだけで無く各ラインのインキの消費量を平均化できるように細かく指示を出し、製版いただくが大事です。

しかし、図柄に対しての原紙の余白次第では上記のような色帯をつけることが難しいこともあります。もちろん初めから図柄がわかっていればそれがゴーストを発生させそうか否かを判断してそれを含めたうえでの原紙寸法の裁定を行えますが、見積段階ではまだデザインが決まっておらずに、箱の寸法だけで見積もりをすることもあるかと思われます。そのため、その時点ではゴーストへの対応は想定されておらず上記のような色帯が付けられないと。

ですので、ゴーストが発生しやすい図柄だと判明した時点でゴーストへの対処の為に原紙の大きさを変更する必要があるとお客様に伝えることが重要です。

もちろん原紙を大きくするということは単価にも影響を与えますので、簡単な話では無いのですがせっかくデザインされたものが綺麗に仕上がらないということを考えれば納得いただけるかと思います。

そしてこれらに加えて重要なことが一つ。図柄を見た時点でゴーストの危険性があることに気づく。ということです。気が付けなければ上記の手段も全て使用できません。

弊社では、そのためにも「気づきの感性」を重要なものだと考えて環境整備を通じてこの感性を養うことを重要なテーマとしております。

次のゴースト対策として・・・一生懸命に水を絞る事が、非常に重要です。

ゴーストってね、インキの被膜が薄い方が出にくいのです。ゴテっと厚盛にしたインキだと、ゴーストが出放題に成ってしまいますから、インキの盛りを少な目にして、なおかつ湿し水を、ギュギュっと絞ってやると、かなり軽減する事が可能です。

湿し水を絞れば、インキを薄盛りにしても、濃度を出す事が出来ますから、基本的にはこの方法を1番最初に試してみるとイイですね。

 

ギフト箱の生産において印刷のゴーストが発生…しませんでした。


インキの消費量の差によって生じるこの現象は特にエンドレス柄に顕著に現れるので、デザインの図柄とそれの印刷時の丁取りなどをよくよく観察し、考察し、ゴースト発生の危険性があるか否かを判断しなければなりません。

特に個人的に抜け落ちてしまいやすい部分というと、糊貼りのある形状の箱の糊しろ部分になります。

お客様からデザインデータを頂いた状態では糊貼り加工の為に糊しろにインキが乗らないようにデザインが作製されていないものが多いです。しかし実際に生産するにあたっては糊貼り加工を行うにあたり、糊しろにはインキが乗らないように編集します。

その結果入れ込み式に丁取りを行っていたりすれば糊しろ部分だけにインキが乗らず、その糊しろ部分と同じライン上にある図柄のインキ濃度が上がってゴーストが発生する。ということになります。

ついついデザインを確認した時点で大丈夫だと高を括ってしまいがちなのでこの部分は特に、注意しております。というかデザインで確認するだけでなく、実際に印刷する前に刷版のデータをしっかりと確認すれば良いだけなのですが。

そんなわけで気を配る必要のあるゴーストですが今回新版もので、ある蓋・身式のギフト箱を生産しました。そのデザインが如何にもゴーストを発生させそうなデザインでしたので私としてはインキの濃度を調整するために原紙を大きくしてその余白部分に大きく色帯をつけようと思っていたのです。

ただ原紙を大きくするとなると単価に関わりますので、お客様にその話をする前に印刷オペレーターの方にどのぐらい色帯をつけたものか相談にいきました。もしかしたら現状の原紙寸法のままで、それにつけられる程度の色帯で済むかなあと思っての相談でした。

しかし、オペレーターの方はデザインを見るなり軽~く一言で

「それ(デザインのことです)色が薄いからゴースト出たとしても全然目立たないよ」

そうです。ゴーストは色の濃度の差によって発生する現象ですので、元々の色が薄ければ当然目立ちにくいのです。

あまりにもあっさりと解決してしまい私の悩んだ時間は何だったのかという感じですが、実際何の問題も無く本印刷が行われました。

今回のように表面的な記号だけを覚えてわかったつもりになっていても現場の方にお話しを聞かせていただくと全然問題がなかったり、その逆もありえますので、当然のことですが一つ一つ丁寧に考えて行動せねば。と改めて思った次第です。

 

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