オリジナルパッケージの製作 ときに必要となる「合紙」とは

今回のお題は、ズバリ「合紙」について。

 

まず最初に、今回のお題を目にして皆様はどのように読みましたでしょうか?

実はこれ、漢字で「合紙」と書きますと、「アイシ」と読む場合と「ゴウシ」と読む場合で意味が変わる2通りがあるのです。

2つそれぞれを簡単に言いますと、

●「アイシ」……数量確認を容易にする目的などで印刷物の間に紙を挟み込むこと、もしくは挟み込む紙のこと。

●「ゴウシ」……2枚以上の紙を貼り合わせること、もしくは貼り合わせた紙の事。

となります。

ちなみに今回は「ゴウシ」と読む方についてとなります。紛らわしいのでまずはこんな入り方となってしまいました。

 

さてこの「ゴウシ」ですが、ご存知の方もいらっしゃるでしょうけれどパッケージの作成においては必要となることもままあるものです。

なぜ必要となるのか、「合紙」する際にはどんなことに気を付ければ良いのかなどについて、今回はお話しさせていただこうと思います。初めて聞くという方はこの機会に是非知っていただきたく、ご存知の方もおさらいを兼ねてということで、最後までお付き合いいただけたらと存じます。

 

パッケージにおける「単紙」と「合紙」

オリジナルのパッケージを作成するにあたり通常でしたら、板紙と呼ばれる厚紙を使用して、その表面に印刷や表面加工などを行い、加えて切ったり貼ったりといった工程があって完成となります。

このとき使用する厚紙(板紙)は、今回お話しする「合紙」に対して「単紙」と言いまして、読んで字のごとく1枚ものの厚紙(板紙)という意味です。その厚さは薄いもので0.3㎜程度から、厚いもので0.6㎜程度までといったところとなります。

組み箱の化粧箱については、皆様が店頭などでよく見かける大半は、この「単紙」で作られたものなのではないでしょうか。

 

そして「単紙」では事足りない場合に使用されるのが、言葉としては対となります「合紙」であります。

「合紙」について先程、2枚以上の紙を貼り合わせる、としました。この時に貼り合わせる紙は必ずしも同じ種類・厚みの紙である必要はなく、違う種類の「板紙+板紙」の場合もあれば、「板紙+段ボール」であったり「板紙+薄紙」だったりと色々です。

いずれにせよ、貼り合わせるという工程が増えているわけですから、「単紙」で使用するのと比べたときに納期・費用ともにコスト増となることは想像に難くなく、実際にもコスト高となるわけです(もちろん単紙でも合紙でも、使用する紙の種類・銘柄によって価格も変わりますので一概に比べられるわけではありませんが。。。)。

 

では何故、コスト高となってでも「合紙」するのでしょうか。

 

パッケージの強度を増すための「合紙」

「合紙」する理由の1つは、パッケージの強度を増すため、となります。もうこれ、章題の一言だけでよい気もしておりますが、もう少しだけ詳しく書かせていただきます。

 

化粧箱などのパッケージにおける一番の目的と言えば、何よりもまず、中に入れるものを「保護する」ということが挙げられます。多くの場合、中に入れるもの=商品となるわけですから、「保護する」という点は決して疎かには出来ません。

そのためには中の商品の大きさや重量に合せて適切な強度を持った箱を作ることが重要となります。当然ながら、中の商品から考慮したときに薄く弱い紙でつくるのでは充分に保護することは叶いませんし、そうかといってごく軽く小さな商品に対して極端に厚く硬い紙で箱を作ることも、保護するという観点だけで見れば無駄が多いといことになってしまうわけです。

(もちろん、中の商品が非常に高額な品である場合などは「保護する」こと以外の目的から必要以上に強度を持たせることもあるわけですが)

 

つまり、「単紙」の厚さでは商品を保護するに充分な強度を得ることが出来ない時に「合紙」する、というのが理由の1つであります。

この場合の例としては、「板紙+段ボール」が最も多く使用されております。段ボールの部分が衝撃についても緩和してくれますし、「単紙」はもちろん「板紙+板紙」の場合よりも「保護する」「強度を増す」という意味では効果が高いからです。

そのため「板紙+板紙」の「合紙」は、単純に強度を増すためというよりは高級感などの理由から段ボールとの合紙にしたくない(断面を見せたくない)場合や、特殊な紙などで「単紙」では必要な強度が得られる程の厚みの紙自体がない場合などに用いられることが多いようです。

 

「板紙+段ボール」ですが、このとき貼り合わせる段ボールの厚みによって、また段ボールを構成する原紙の種類によっても強さは変わってきます。

一般的に「合紙」に使用される段ボールはF段・E段・B段の3種類、なかでも厚さ1.5~8㎜程度となるE段貼合が最も多く使われております。

原紙の種類については、まずライナー(段ボールの表面の紙)がD4・C5・K5・K6・K7とある中から、ほとんどの場合C5が使われています。ちなみにD⇒C⇒Kの順に古紙の含まれる率が低くなり、古紙を含む率が下がる=バージンパルプを多く含む方が紙は硬くなります。またアルファベットの後の数字は重さを表しており、数字が大きくなるほど㎡あたりの重量が上がり厚みも増すため強度が上がります。

もっと言えば段ボールの中芯(断裁面から見える波状の部分)などにも種類があり強度が違うのですが、そもそも厚みや硬さのある板紙と「合紙」して化粧箱を作成するには充分な強度が得られることから原紙の種類を指定することは稀であり、通常は必要に応じて段ボールの種類と、ライナーの表面が「茶」か「白」かを選ぶだけとなります。

 

パッケージの美粧性を高めるための「合紙」

もう一つの理由がコレ、見た目などを重視するために「合紙」する場合があるのです。

 

たとえば皆様が、綺麗な模様や重厚な手触り・質感のある紙を見つけたとしましょう。ぜひともその紙で化粧箱を作りたい!と考えたときに、その銘柄の紙が化粧箱を作成するには薄すぎて、且つ厚みの種類もなかったとしたらどうしますか?

そう、もっと厚みのある板紙と「合紙」して使用すれば良い、となるわけです。もしくは、その同じ紙同士を2枚、3枚と「合紙」して使用する、でしょうか。これが美粧性を高めるための「合紙」であります。

前述の「板紙+薄紙」の「合紙」のほとんどはこのパターンであり、基本的には薄紙の模様(柄)や質感を活かすために行われます。紙の種類によっては「板紙+板紙」でも同様となりますね。

 

また、この場合の「合紙」については少し広く考えますと、皆様が「合紙」するのとは別に、最初から「合紙」されて売られている紙なども含まれてきます。通常の板紙をベースして和紙やウーペが貼合されている紙や、アルミ蒸着貼合紙など皆様も目にしたことがあるかと思います。こうした「既に美粧性を高めるための合紙が施された紙」を利用して作成するのも一つの手でしょう。

 

もちろん皆様が作成されるオリジナルのパッケージにおいて、美粧性と強度の両方を求めることも可能ですので、興味を惹かれた方には是非ともいろいろとチャレンジしていただけたらと思います。

 

「合紙」するときに気を付けるべきこと

コストが高くなります!

とは、先にも触れておりましたし皆様も既にご理解いただいていることでしょうから、他の点を。

 

〇合紙に向かない紙もあります

紙と紙の片面全体を貼り合わせますので、平滑性の高い紙同士の方が貼り合わせるには向いています。

その反対に凹凸の激しい紙というのは「合紙」には向きません。

また、ユポ紙など表面が水分等を全く吸わない紙は、通常「合紙」する際に使われる水性の糊で貼り合わせることが出来ません。

 

〇紙のサイズを合わせる必要があります

上記のように全面貼り合わせとなりますので、同じサイズの紙同士で「合紙」します。

そのため、サイズの違う紙同士の場合には先にサイズを揃える必要があり、断裁の手間や無駄となる紙幅が発生します。

当然ながらコストにも響きますね。

 

〇紙の「反り」が発生しやすくなります

もともと紙は湿気や乾燥によって伸縮するものですが、違う紙と貼り合わせるとなるとそれが原因で「反り」が発生し易くなります。

伸縮率の違い等から、片方の紙は縮もうとするのにもう片方はあまり縮もうとしない場合などに「反り」となって現われるのです。

貼り合わせる紙の厚さ(強さ)・紙の繊維方向・湿気の含み具合など違いには気を配る必要があります。

中でもPPラミやプレスコートといった表面加工は、その工程で熱を加える必要があり、より強い「反り」を生む原因となりがちです。

仕上り後も、湿気・乾燥による伸縮に対して紙同士で違いが生じるため「反り」やすくなります。

紙の持つ性質によるものですので完全に防げるものではありませんが、「合紙」において最も気を付けるべき点と言えます。

ちなみに、この章の画像の意味は「ソリに注意!」でした(笑)

 

なかなかに、良いことばかりとはいかないものですね。

 

さてさて、ここまでお読みいただき如何でしたでしょうか。もし少しでもお役に立てたなら、喜ばしい限りです。

買い物などのついでにでも良いので、見かけたパッケージの「合紙」チェック!是非してみてください(笑)

 

冗談はさておき、コスト面もそうですが特に「反り」についてなど、オリジナルのパッケージを製作されるにあたって「合紙」が必要な際には、是非とも我々ケイパックにご相談ください。

オリジナルパッケージのプロが一所懸命に、皆様のご要望に合わせたご提案をさせていただきますので、是非ともご一考いただけたらと存じます。

 

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

 

 

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