小さいサイズの箱を作るにあたり気になることを紹介します。

「小さくて可愛い商品ができたので、
箱も可愛く見せられるように可能な限り小さくしたい」

去年の年末にそんなお声かけをいただきまして
さてさてどんなに小さいのやらとお打ち合わせに伺いますと、まあ驚きました。
なんとそれは、縦横それぞれ40mmほどで
横に置いたときの高さ(厚みの方がわかりやすいでしょうか?)に至っては
20mmすらない、そんな本当にとても小さな「鋏」でした。

しかもこの鋏、それほどまでに小さいというのに切れ味は見事なもので、
持ち手を親指と人差し指で摘んで軽ーく力を加えるだけで
紐はもちろん布なんかもあっさりと切断できるのです。

お客様いわく、非常に腕の良い職人さんが刃を研ぎ、
その刃と刃の噛み合わせの調整も絶妙に行われているが故の物であるようですが、
まああまり逸れていってもあれなので、そろそろ閑話休題。

さてそんな見事な鋏ですが、なんと1月中旬に開催するギフトショーに出すとのことで
それまでに箱が最低でも10枚は必要とのこと。

年末のお声掛けでしたので実働としては2週間も無いのですが
必要と言われれば頑張らねばなりません。

そんなことで年明けから早々に形状を決定するためにあれやこれやと
サンプルを作ったり打ち合わせしたりと重ねていき、
無事にギフトショーまでに間に合わせることができました。

ただ、やはり苦労させられたのが如何に小さくするか?でした。

小さいサイズなんだから大きなサイズの箱よりも簡単に作れるんじゃないの?と
思われるかもしれません。

確かにある程度その通りだと思います。

箱が小さければそれだけ必要となる紙の面積も小さくなります。
そうなれば取り扱いは容易ですし、サンプルを作るにあたっても
罫線を入れる手間とか、使用する紙の枚数とか、
まあいろいろと大きな箱に比べれば簡単になります。

しかし、実は様々な点から小さい箱にはやっかいな点があります。

今回はそんな、小さいサイズの箱を作る際の話をしていきたいと思います。

小さいサイズの箱 糊貼りができない?

糊貼りを行う機械には、それを通せる最小の寸法と最大の寸法があります。
ここでその理由を懇々と書いてもあまり意味が無いので割愛しますが、
要はあまりにも小さすぎたり大きすぎると機械貼りが出来なくなるのです。

機械で通せないのなら人の手で糊なり両面テープなりを使用して
貼り合わせ作業を行うことになるわけですが、
さて、小さい箱の難点がここにあります。

今回作った鋏の箱でいうならば、蓋を開けたときに
鋏が寝ている状態にする必要があったため
(その方がぱっと見たときに可愛いから、のようです)
箱としては奥行きと幅がそれぞれ40mmに+@した程度であり、
高さは20mmしかありません。

そんなとても小さいサイズの箱を、
作業性の観点からワンタッチ横底箱で作りたいと
初回のお打ち合わせでは希望されました。

なるほど確かにワンタッチ横底箱は手でちょっと立ち上がらせるだけで
底が自動的に組まれるため作業性が非常に高い形状ですので、
それを希望されるのは十分納得のいく話ではあります。

しかし、ここで皆様に少し想像してもらいたいのですが、
まず弊社HPのこちら→http://www.kpac.co.jp/commodity/index.htmlから
ページ中段の横底貼箱(底ワンタッチ箱)の展開図をご覧下さい。

…見て頂けましたか?

この展開図に先ほどの寸法、つまり奥行き40mm幅40mm高さ20mmを
当てはめると、まあとても小さいものであると実感いただけるのではないかと思います。
(どこにどれを当てはめるのかわからない方はこちら→
http://www.kpac.co.jp/inquiry/index.htmlのページ中段のサイズをご覧下さい)

ここまで小さいと糊にせよ両面テープにせよ、
その貼れる面積が非常に小さいため、
加工にとても手間がかかることがわかるかと思ます。

貼り合わせるための両面テープ一つとっても、
どれだけ小さくカットするんだって話ですね。

そして手間がかかること以上に、接着面の面積が小さいために
せっかく苦労して貼っても剥がれてしまう恐れがあります。

ということで小さいサイズの箱の難点の一つ、糊貼りの話でした。

小さいがために機械に通せず手で貼ることに、
極めて小さいがために、それすらも困難に…

大きいサイズよりも小さいサイズの箱の方が、
このあたりは問題になることが多いのです。

小さいサイズの箱 小さいからといって単価が安くなるかというと?

小さいサイズの箱なんだから当然単価も安くなるんじゃないの?

はい、安くなります。

例えば紙の値段は、その重量や面積で決まりますので
箱の寸法が小さくなれば使用する紙も小さくなり、
大きなサイズの箱よりも安く仕入れることができます。

また小さい箱=1個あたりの重量が軽いため、
1つのダンボールケースに詰められる数も多くなります。

そうなるとダンボールケースの仕入れ賃はもちろん送料なども安くなります。

他にも理由はありますが、いずれにせよ安くなるという認識は
基本的に間違ったものではありません。

しかし必ずしも期待しているほど安くなるか?というと難しいときもあります。

糊貼りの機械に限らず印刷機や打抜き機にも用紙を通せる最小と最大の寸法があります。

ここでは最小の寸法が400×550とします。

そうなると箱を展開したときの寸法がこれよりも小さいものは、
全て必然的にこの寸法の紙を使用して印刷することになります。

つまり、

展開したときの寸法が350×500の箱と300×400の箱は
それぞれの箱としてのサイズは違うにも関わらず
使用する紙はどちらも400×550ということになります。

これでは紙の仕入れ賃に差ができないため、
箱の大きさが違うのに単価があまり変わらないという話になります。

そして、さらに言うと先ほど話した通り
あまりに小さいと機械で貼ることができなくなるため
手で貼ることになるのですが、
少ない数量なら話は変わりますが基本的に機械貼りの方が
手で貼るよりも単価が安くなります。数量の多いものなどは尚それが顕著に現れます。

これらの理由から、箱としては他のものよりも小さくても、
あまり単価として差が出てこないことが小さいサイズの箱にはあります。

小さいサイズの箱 さてどうしましょうか?

あまりに小さいためにワンタッチ横底箱を断念した冒頭の箱ですが、
結局トムソン仕上がりの蓋・身 式組立て箱の身を
側面のみを貼ったスリーブで覆うことになりました。

あのサイズでも組立て箱の形式であれば十分に折り曲げることもできますし
(あと10mm高さがなければ、流石に厳しかったと思います)
むしろ丁度良い小ささなのか組み立て易い部類でした。

最初は蓋も作ってサンプル提出したのですが
蓋+身となるとその分だけ箱が大きくなりますので
結局それを少しでも抑えたいとの要望から
蓋は上記の通りスリーブへと変更になりました。

スリーブの形状であれば糊しろは40mmの側になりますので
剥がれる心配をする必要も無くなり一安心です。

また、蓋・身のときに懸念していた小さく、かつ中身も軽いことから
蓋が外しにくいという難点も横にスライドさせるだけになりましたので
ついでに解決してしまえて、無事に形状決定の運びとなりました。

…最初からスリーブ式を閃いていれば余計な時間や手間も掛けずにすんだのですが
これは次の機会に活かしたいと思います。

小さい=可愛い?

冒頭お客様から言われた小さくて可愛いという言葉。
今回サンプルを作るなかでも、商品を箱に入れてみては
この箱可愛い?いやもっと小さいほうが可愛く見える。
そんな会話がお客様の間でちょくちょくなされておりました。

小さいものは可愛い?

机の向かい側で聞いていた私は少しその概念が気になりネット検索に掛けてみました。

もうそのまま、 小さい=可愛い と。

結果どこまでが真実なのかを確かめるには至らなかったのですが
どうも我々の脳は、赤ちゃんの育児にあたり少しでもストレスを感じなくするために
丸っこくて、小さくて、くりくりしていて、柔らかいものを(赤ちゃんそのものですね)
可愛く感じるようにできているようです。

で、その感覚がそのまま他にも適応されるために
例えば他の動物の赤ちゃんや、小さい物を可愛いと感じるのだと。

小さいサイズの箱も、そんな理由で大きいサイズの箱よりも
形状が同じでも可愛く感じられやすいのでしょう。

作るにあたり様々な難点があったりする小さい箱ですが
そんな風に本能に訴えかけることができるのなら
製造する価値は十分にあると言えそうです。

 

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