紙箱を高級感や落ち着きをコーティングする「表面加工」について

 

A:表面をマット調にしたいんだよね。

B:マットニス・マットビニール・マットPPと各種品揃えしておりますが(笑)

A:トレーとして使いたいんだけどコスレキズとか目立つかな?

B:コスレ強度によって、どれでも傷はつきますが、一番強いのはマットPPですかね。

A:でも高いよね。

B:この中では一番高いですね。

A:-------

B:品質と価格から考えるとマットビニールが妥当でしょうか?

A:でも指紋が付きやすくない??

な~んていう会話があったとしましょう。そして、いかにもありそうでしょ(笑)

こんなときにオススメなのが『ハーフマット』です!!

 

これは何かと言いますと…ビニール溶剤に強化剤を混ぜることにより、キズに強く、

指紋がつきにくくなるという優れものです。但し、若干沈み・マット感がなくなります。

このように表面加工は色々な種類があり、その効果の大きさも違います。
そこで今回は、適切に使用すれば紙箱に大きな高級感をコーティングできる
これら表面加工について紹介していきたいと思います。

高級感を演出する塗装やラミネート加工の表面加工について

煌びやかに光沢をもたせる表面加工、落ち着いたシックな感じを出す表面加工。

一般的には、グロス(光沢)調に仕上るか、マット(光沢の無い)調に仕上るかで

商品イメージは大きく変わってきます。ここでは、

グロス調に仕上る加工とマット調に仕上る加工についてお話したいと思います。

先ずは、光沢のあるグロス調の表面加工から・・・

ということで、お客様からの要望で表面加工は光沢のあるものにしたい

という依頼を受けることが結構あります。

商品のイメージを上げる為に印刷デザインは大切ですし、

そのデザインをより効果的にアピール出来るのが表面加工であれば当然のことでしょう。

表面保護の表面加工ではなく、美粧性高級感を持たせたいという意味での表面加工です。

とはいえ一言でいっても光沢のある表面加工は下記のように色々あります。

 

①ニス引き

②ビニール引き

③プレスコート

④UVクリアー

⑤フィルム貼り(PP貼り、PET貼り)

 

といった順番が光沢性の低い方から高い方への順番かと思われます。

①のニス引きは光沢性よりも保護性の意味合いが強いと思われがちですが、

高光沢のニスもあり通常のニス引きよりは艶が出ますし仕上

表面加工の中で、基本的にもっとも安価で手軽に加工出来る為、

強い光沢を求めないのであればニス引きがベストな選択になります。

 

ちなみに、OPニスのOPはOverPrintニスの略で、印刷で加工出来る表面加工です。

印刷工程に組み込めるので、納期が余分にかかりませんし原材料もインキなので

上で書いたように安価に抑える事が出来るのですが、

ごく少量の印刷物では印刷加工賃の計算上、

台数計算(最低必要加工賃)となる事と、刷版(印刷する為の版)が必要となり、

後で書くビニール引きよりも高くなってしまいます。

 

また、印刷インキ故に被膜層の厚みが薄く、

他の表面加工に比べるとやはりグロス感が少ないとも言えます。

 

上記のとおりグロス感の強いOPニスを選ぶことも出来るのですが、

グロス感が高ければ高い程耐摩耗性に弱く、表面保護の観点からいうと、

化粧箱の表面加工にはあまりお勧め出来ません。

まとめますと、OPニスは、印刷面を取り敢えず保護したい、少しグロスを持たせたい、安価に抑えたい・

といった要望に合った表面加工となります。

 

ちなみに当社印刷設備では、5色印刷機を持ち合わせておりますので、

ワンパス(紙の1回通し)でOPニスを刷ることが出来、納期短縮にもつながります。

②のビニール引きは耐磨性も強いし光沢もニスよりはあり比較的安価な為、

OPニスの耐磨性とグロス感ではちょっと…と、また何もピカピカな光沢までは

いらないと言われる方はビニール引きをお勧めします。

 

オフライン(印刷ラインとは別)となりますが、被膜層も厚く耐摩耗性にも優れており、

比較的価格も抑えられますし、OPニスよりは艶があるため、

化粧箱の表面加工として多く採用されています。

 

ただナンバリングや書き込みをするためには適しておらず、

どうしてもの場合は版を作製しなければいけないのですが、これが高価な為、

よほど大量生産でなければ、イニシャルコスト増となってしまい、

費用対効果は得られないと思われます。

 

グロス感も艶がある程度で、光沢とまではいかないため、より光沢を求められる

化粧箱には次に書くプレスコートを選択される事が多いです。

ビニール引きに関しては当社は外部加工となるのですが、当社印刷機には

印刷ユニットの後ろにコータが付いており、そのコーターで水性ニスを施せば、

ビニール引きと同じ艶を得る事が出来ます。(耐磨性はビニール引きの方が強い)

ただこの場合も版代がかかり、費用対効果は考えなければいけなくなります。

 

③のプレスコートはこれぞ光沢!鏡面の転写で得られる高光沢、高平滑は

一般的な表面加工より高級感や清潔感があり、

まさしく化粧品や医薬品に多く採用されています。

表面加工液剤を高温の鏡面胴を押し当てることによりって紙に塗装し、

鏡面が転写され高い光沢を持たせることが出来る表面加工がこのプレスコートです。

 

プレスコートは耐磨性も強く、表面保護の機能も十分なのですが、

如何せん光沢性が高い為、少しのすり傷でも目立ちやすくなってしまい、

その取扱いには、ある程度の注意が必要となってきます。

 

プレスコートの光沢は高級感もあり化粧品や健康食品の化粧箱に多く採用されますが、

同系列の商品群の中で、自社他社に関わらず、差別化を図る為に採用されることも多く、

少し単価は上がりますがある程度の予算の中で強い光沢を持たせられるプレスコートは、

需要も多いと言えます。

 

④のUVクリアーは光沢性は優れていますが少し意味合いが違い、

表現は難しいのですが、厚みを感じる光沢とでもいうのでしょうか、

いい意味でボデッと艶やか…(瑞々しい感じ??)

 

当社の印刷設備でなら5色印刷機+水性コーター付きとなりますので

コーターを使ったUVクリアコートでプレスコートと同じくらい光沢が出て、

耐磨性もプレスコートより強いこの表面加工が印刷と同時に行えて

納期の短縮などにも寄与できるのですが、

糊代等、塗布していない箇所を作る場合は樹脂版の作成が必要となり、

これが結構な費用になりますので、貼り加工のあるものは注意が必要です。

 

⑤のフィルム貼り(PPラミネート)は、プレスの光沢にさらに厚みを持たせるような感じに仕上がり、

光沢も強く、耐磨性も強い表面加工としてあげられます。

それぞれの商品群のフラッグシップとなるものに多く採用されていますが…

かなり高い…印刷紙の古紙リサイクルが出来ない…という側面ももっています。

フィルム素材は、PPフィルムやPETフィルムとなるのですが、

その質感は塗布して加工する表面加工と違い、

透明感も高く、高光沢な表面加工なのですが、加工賃も高くなってしまいます。

 

高級化粧品やハイエンドな商品群に採用されていますが、

別用途として、箱に穴を開けた上にフィルム貼りをすることにより、

紙器でありながら、中身商品が見える窓貼り箱として採用される事も多い表面加工です。

 

 

少し余談になるのですが、同じ表面加工をして、より光沢を出す方法・・・

それは原紙を平滑の高いものに変えるのです。

 

光沢とは平滑性から生まれるものであり、コートボールよりカードB、

カードBよりカードA、カードAよりコートアイボリー、コートアイボリーより

キャストコート紙といった具合に、原紙表面の平滑が高ければ高い程、

施される表面加工の光沢は上がってきます。

 

フィルム貼りをして高光沢を得るには、やはりコートアイボリーや

キャストコート紙に加工したものが、他の原紙より光沢性が強いと言えますが…、

なんせ高額になってしまいます。

商品別により、適材適所の表面加工を考えられてはどうでしょうか。

 

そして、フィルム貼り以外の表面加工においては、

版を用いて部分的に光沢をつける事も出来ますし、

ナンバーリング等のために印字部分の場所だけを抜いた加工もできます。

 

光沢ニスとマットニス、UVクリアーとマットニスを同時にすることにより、

より光沢感を際立たせる加工もできます。

化粧箱に輝きを持たせる事の出来る表面加工、

デザインをより艶やかに演出する表面加工…これ大事です!!

 

ねっ、光沢のある表面加工といっても色々あるでしょ。

それでは次はマット調の表面加工について紹介します。

 

高級感…の代わりに落ち着きを演出するマット調の表面加工について

それではグロス編に続いてマット編について書いてみたいと思います。

グロス調は光沢のある艶が高級感を演出する…、と書き記しましたが、

マット調は控えめな仕上がりが落ち着きを醸し出したり、大人感を演出すると思います。

 

グロスは高平滑にすることで、光の反射が一定方向に向くため、

光沢や艶感が得られるものなのですが、マット調は逆に平滑性を無くし、

光を乱反射させることにより、光沢感を無くしシックで落ち着いた感じに仕上るのです。

 

余談になりますが、景気のいい時にはグロス調の印刷物が多く、

不景気な時はマット調の印刷物が景気のいい時よりも多くなる、とも言われています。

 

パッケージが内容物をより際立させる為に、施す表面加工…、

その効果の一つである”マット調”について記したいと思います。

 

基本的にはグロスの表面加工の種類と同じで、液剤にマット剤が含有されているだけの

違いではあるのですが、プレスコート(表面に塗布した液剤を、

鏡面の圧胴に高温で押し付けて高平滑にする表面加工)の液剤に

マット剤を含ませることはしませんので、

この加工についてはグロスだけの表面加工と言えるでしょう。

 

そうなると、グロスニスに対してマットニスがあり、やはり印刷機において加工できる

手軽な表面加工であり、安価であると言えます。

マットニスの場合、当社では特にグロスニスとマットニスにおいて

価格差をつけてはいませんのでご安心ください(笑)。

 

次にビニール引きに対して、マットビニール引きも同様にありますが、

 

マットビニールに関しては、一般のビニール引き(グロス)より加工賃が高くなります。

ただ後ほどにマット調の表面加工の注意点について書きますが、

マット剤の剥離性についてはマットニスよりも強く、価格を押さえてマット品質も

比較的安心できるマットビニールは、一つのお薦めの表面加工となります。

 

PP貼りもマットPP貼りがありますが、グロスのPPフィルムに比べ

マットPPフィルムの割高感は強く、高価な表面加工となってしまいます。

しかし、フィルム面に凹凸を作る事によってマット調に仕上ている為、

他の、液剤にマット剤を含有してマット仕上げする表面加工に比べて

マット品質についてはピカイチであり、高級化粧品等のパッケージで

マット感を出すのには最適と言えるかもしれません。

 

マット調表面加工の効果と注意点

 

マット調の表面加工は、シックで落ち着いた感じが出る・・・

このマット感にも、印刷の濃い、薄いというような、強い、弱いがあります。

マット感を強くするには、含有されるマット剤の量を多めに、

また、ハーフマットと言われるような、弱いマット感が必要な時は

マット剤の含有を少なめにすればいい事なのですが、

このマット剤で注意しなければいけない事があります。

 

前に述べた様に、液剤にマット剤を含有さして表面に凹凸を作る事により、

光を乱反射させる事で、マット感を出す(光沢を出さなくする)。

逆に言えばマット剤が乗っていないとグロス感が出てしまう・・・

 

マット仕上げされた表面は凸凹で極端にいうと、紙やすりの表面の様に

なっています。それ故に、耐磨性は弱く擦れ合うとマット剤が剥がれ落ちます。

 

すると、その部分はグロス感が出てしまい、キズの様に見えてしまう。

マット剤が乗っていない事がキズと言われるなら、それはキズであり良品で

なくなってしまいます。特にマットニスの耐磨性は低く、

同じマットニス面どうしが擦れ合ってしまうと、マット剤が落ちやすくなり、

キズ品となってしまう可能性がグロス調仕上よりも高くなってしまいます。

 

この様な場合は、外箱に詰める際にも注意を払い、

硬い段ボール面と擦り合せない様に、クラフト紙を1枚挟んでみたり、

タイト過ぎず、緩すぎず箱を入れれる用に設計してみたりと、

工夫をしなければなりません。

グロスの表面加工よりも、マットの表面加工には注意が必要となる事が多いのです。

また、マット表現だけがマット調の表面加工ではなく、UVコート等の艶感をより

際立たせる為に、グロス以外の所にマットニスを印刷することにより、

よりグロス感が上がるというような手法を使う事もあります。

 

他のマット調表現

 

マット調を表現するには上記以外もあります。マット調とは少し違うかもしれませんが

エンボス加工がそれに当たります。エンボス加工とは、凹凸で柄の付いた圧胴を、

原紙に強い圧力で押し当てて(ロール状の圧胴の間に原紙を通す)、圧胴の柄を

原紙面に転写させる方法で、絹目や皮シボといった柄が表面の凹凸で表現され、

マットとは言えないかもしれませんが、光線は柄目の分乱反射します。

 

ビニール引きをした後に、エンボス加工すると、艶はあるのに、光を乱反射する

効果を得られ、高級感も増してきます。また、何らマット剤を使わずとも、

原紙の状態で表面がコートされていない、ケント紙の様なノーコート紙を使うと、

紙面の素材が出て、ナチュラルマットな感じが出てきます。

この様な手法はオーガニックな商品によく採用され、

安価で、風合いのあるパッケージが出来上がります。

 

マット加工の場合の注意点として、ハーフマットに限らず、

マットニス・マットビニール・マットPPどれにでも言えますが色味が変化しやすい

ということです。これは、仕上がった後に色が変わるということではなく、

工程順で『印刷』⇒『表面加工』となりますが、印刷直後の色と

表面加工後の色が異なって見える場合が多いということです。

もちろん、プレス・グロスPP等々でも、若干見え方は変わりますが、

その幅がマットの方が大きいという意味です。

しかし、厄介なことにそれほど変わらない場合もあり、結局はやってみないと

分からないというところがあります。ので、マット感を出す箱の立ち上げ時には特に!

 

① ある程度、見え方が変わることを予測して色を選定する必要がありますし、

② 色校正の段階で、かならず表面加工までの確認をすることが必須かと思います。

貼り方・耐水性などの観点から高級感以外でも、無印の箱やふたでも表面加工はします。

トレーやふたの制作依頼を受ける時に、注意しなければならない事があります。

トレーにのせる商品が軟包材等で包装されている物や、

食品以外であれば問題ないのですが食品そのものが直接

トレーに触れるような場合は色々と考えなければなりません。

第一に衛生面で、口の中に入れる食品がトレーによって非衛生的になってしまう…

まずは原紙そのものが食品衛生法に触れる様な原材料を使用していないか、

次に印刷インキや表面加工の原材料にも同様に抵触するようものが入っていないかに

気を付けなければなりません。

 

トレー単体の場合は無印であることも多く、その場合は原紙だけに注意していれば

いいこともあるのですが、印刷をする場合には表面加工、特にPP貼り等が用いられます。

液剤を使う表面加工には有害物質とまではいかなくとも、

食品に直接触れない方がいいのではないか…、と思われる原材料も多いのです。

 

次に注意しなければいけない点が食品から受ける影響…

例えば、油分による油ジミや水分によるふやけ。

これらの現象を防ぐのに表面加工が必要となってきます。

やはりPP貼りが効果的なのですが、一概にそうとも言えません。

トレーの形状や貼り方や食品によっては、表面は守る事が出来ても、

原紙の側面(紙の厚みとなる所)から水分、油分が侵食するような場合もあります。

 

これは、ハービル加工といった耐水・耐油の表面加工でも同じような事が起こります。

形状を考えて設計するか、原紙抄造段階で耐水性や耐油性を持たせる液剤を含浸させた

原紙を選択しなければなりません。この時に、含浸させているか、

表面に塗工しているかは販売先に確認しておく事も忘れてはなりません。

 

高級感を必要としない簡易的なトレーの制作にも、うっかりしていると

大きな問題として伸し掛かかってきますので細心の注意が必要ですね!

 

 

 

 

化粧箱の制作を考える時に、表面加工はどうするか・・・、

結構大事な問題です。

表面加工は印刷面の保護という目的がありますが、

それ以外に美粧性も大事になってきます。

今回は一般的な表面加工として代表的なものを列記しました。

当社設備についても織り込んで話をしましたが、

UV5色印刷機コーター付は珍しくはありませんが、

表面加工の観点からも印刷の幅を大きくしている設備です。

グロス調、マット調、色々な表面加工についても書き記しましたが、

 

この様な知識がなくとも、こんな感じに仕上げたい…こんな効果を出したい…

そんなお客様の声をお聞かせ願ったら、当社がアドバイス出来る知識をフルに発揮し、

お客様の考えを形にしてまいりますので、どうぞお気軽に、ご連絡下さいませ!!

 

特に水性ニス、UVクリアコートに興味をお持ちの方がおられましたら、

是非ともお声かけして下さいませ!!

 

 

ご質問・ご相談は下記よりお気軽にお問合せ下さい。
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