パッケージ印刷の退色について

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退色とは、読みのままですが印刷面の色合いが時間の経過とともに落ちていく現象になります。皆さんも、例えば本棚に並ぶ書籍の背表紙など、当初はもっと鮮やかだったであろう色が褪せてしまい、薄くなったものを目にした経験があるかと思います。屋外に貼られたポスターなどでもよく見受けられる、アレの事ですね。

既に多くの時間が経過し役目も終えたパッケージであればまだしも、売り場において著しく退色しているパッケージ(商品)が陳列されていたらどうでしょう?

「もしかして長いこと売れ残っているのかな?」とか「流行っていないお店なのかな」などと思われてしまう可能性が強いのではないでしょうか。売る側にとって、それはとても大きな損失と言えるでしょう。

そうして考えてみますと、この「退色」ということについて知っておくのは大切なことなのではないでしょうか。

 

というわけで、今回は化粧箱の印刷における「退色」についてがお題となります。

 

どうして退色してしまうの?

subtractivecolormixing2まず主な理由としては、インキに使用されている顔料が太陽光などに含まれる紫外線によって、性質が変わってしまうということが挙げられます。

紫外線は強い力を持つ光線ですので、長時間晒されますと顔料を構成する化合物の結合が壊されてしまい、その結果が「退色」という現象になるわけです。

これは太陽光に限らず、紫外線を含む照明光などであっても起きますので室内なら大丈夫ということはありません。店舗照明などの中には非常に強い照明光が使用されていることも多く、パッケージ(商品)をより良く見せるための照明によって退色が促進されてしまうことになります。

また、この性質変化は色によっても違いがあり、多くの印刷物が黄・紅・藍・墨の4色のインキによって印刷せれてますがその中で藍・墨の顔料を構成する化合物は結合が強いためなかなか破壊されませんが、黄・紅は化合物の結合が弱いため退色しやすいのです。

下記は、とあるインキメーカー様のインキ製品についての耐光性表示です。

耐光性とは、そのインキがどのくらい光に耐えるのかを、太陽光を想定したテストによる結果で、インキ選択の目安を示した数字です。非常に強い光線をあてるテストですので、1時間が太陽光1・2日分くらいに相当するのだそうです。

※あくまで一つのインキのメーカーの製品についての耐光性表示ですので、全てのインキに適用される数値ではありません。また保証ではありません。

 

〔薄紙向けプロセスインキ(CMYK)〕 ※冊子やリーフに使用される通常のインキ

黄:10~20時間

紅:40~60時間

藍:1,000時間以上

墨:300~1,000時間

 

ちょっとビックリするほどの違いがありました。

同じ環境下においても、たとえば黄色い化粧箱と青い化粧箱では退色するまでの時間にとても大きな差が生じることになりますね。

 

退色を防ぐ、遅らせるにはどうすればよいの?

man-1050530_960_720はい、光(紫外線)に当てなければ良いのです(笑)。

もちろん、真っ暗な売り場であるとか商品が全て目隠しされている売り場において沢山商品が売れるという事もないでしょうから他の手段を考えなくてはいけません。

では照明そのものについては一旦置きまして、インキの方を見てみます。

耐光性の低い黄・紅のインキについて、光に強い、顔料の化合物の結合が壊されにくい耐光インキや超耐光インキというインキがあります。

化粧箱などパッケージに使用されるインキは、先に挙げた薄紙向けプロセスインキよりも耐光性の高いインキが通常でも使われておりますが、そのインキと超耐光インキを比べてみます。

 

〔厚紙向けプロセスインキ(CMYK)〕 ※当社でも化粧箱や台紙に使用

黄:40~60時間

紅:40~60時間

藍:1,000時間以上

墨:300~1,000時間

 

〔超耐光性インキ〕

黄:100~300時間

紅:100~300時間

 

かなり耐光性の数字が上がっております。あくまで目安とは言え、超耐光インキを使用した方が随分と長持ちするのは間違いありません。

 

耐光インキを使用する際の注意点

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さて、化粧箱の退色への対抗措置として黄・紅のインキは耐光インキを使用することは有効である、となれば自然と思い浮かぶこととして、最初から全ての印刷物を耐光インキを使用して印刷すれば良いのでは?もしくはすべてのインキを耐光インキにしてしまえば良いのでは?と思われるのではないでしょうか。

それが出来ない理由があります。

まず第一に、耐光インキは通常使用されるインキと比べ高価なインキとなりますので、印刷費用も高額となってしまいます。

第二に、色合いの問題があります。インキに耐光性を持たせようとすると、そのための成分が必要になりますが色という点に限って言えばそれは不純物が増すということに他なりません。結果、同じ黄・紅のインキでも比較したときに耐光インキは薄い色合いになってしまうのです。

メリットとデメリットがあり、どちらに重点を置くかで使い分ける必要のあるインキと言えます。

耐光インキを使用しなかった色校正と同じ色が出ない、今まで通常のインキを使用していた商品を耐光インキに変更すると同じ色にはならない、というデメリットを承知した上で、且つ高額になっても構わないので耐光性を優先させたいときに選択していただくの良い、そのようなインキになります。

 

耐光インキ以外に手段はないの?

%e8%87%aa%e7%84%b6%e9%a2%a8%e6%99%af%e5%a4%aa%e9%99%bd%e6%9c%a8677耐光インキを使用せずとも、デザイン自体を黄・紅インキの使用を抑えた色遣いのデザインにする、というのも一つの手ではないでしょうか。その場合、デザインに制限が設けられてしまうというデメリットが発生しますが、先の耐光性表示からも判るように退色は起き難くなりますね。

他には、表面加工のPP貼り、そのPPも光を反射する分で若干ながら紫外線透過率が下がり耐光性が上がる効果があります。反面、水に濡れたりしてPPフィルムによって湿気が閉じ込められた状態で光にあたり続けると退色しやすくなるというデメリットがあり、そもそもPP貼りも表面加工としては決して安価なものではありません。PP単体で耐光インキほどの効果は望めませんので、あくまで補助的なものと捉えるべきでしょう。

どれも一長一短あり、難しい所ではあります。

 

以上、化粧箱等パッケージ作成の折には、退色についても一考してみると良いのではないでしょうか。迷われる場合など、是非ともケイパックにご相談ください、お役に立てますよう、より良い化粧箱が出来上がりますよう、私どもも一緒に考えさせていただけたらと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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