紙箱制作において、校正による色合わせについて・・・

紙箱の制作にあたって、最初の仕事は設計データ作成です。

設計データと言いましても、紙箱の形状設計もあれば、印刷デザインもあります。

形状設計はサイズ感であり構造であるのですが、

その設計を寸法(数値データ)にして展開図を作成します。

印刷デザインにおいては、訴求効果や商品イメージを考えて、どのように表現するのか、

色合いをどのようにすればよりイメージに近づくのかを考え、4色表現するのであれば

色配合をデータ化して、校正として確認する。紙箱制作において重要な仕事・・・

今回はそんな印刷準備にまつわる、”校正”を軸にお話ししてみたいと思います。

紙箱の校正で色を合わせる方法も色々・・・

校正とは…

1、文字・文章を比べ合わせ、誤りを正すこと

2、印刷物の仮刷りと原稿を照合し、誤植や体裁の誤りを正すこと

とありますが今回は印刷物に関することなので「2」についてになります。

パッケージ印刷の校正の種類なのですが

簡単に分けると

「本機校正」「本紙校正」「簡易校正」「データ校正」

という4つに分けられます。

ではまず「本機校正」ですが、これは

実際に使用する紙・実際に印刷する機械・実際に使用するインキ。

これらを使って校正刷りを行うことを指します。

実際に使う機械で行うので当然色見本としては一番確かなものと言えます。

ただし、大量生産が前提のオフセット印刷機を使用してになるので

以前書いていたように

台数計算の価格になること等で基本的に校正の種類としては

最も費用のかかる校正方法になっております。

次に「本紙校正」ですが、

こちらは、実際に使用する紙と同じ規格の紙・インキを使い

平台印刷機という校正専用の機械を使用しての校正刷りを行うことです。

実際の機械では無いので色を完全に一致するかというと

必ずしもそうだとは言えませんが、専用機なだけあり

費用も納期も基本的には本機校正を行うよりも安く・早く上がります。

ここまでは本番同様の紙を使いますので、例えば表面加工をした状態では

どんな感じになるのかを確認しておきたい、だとか完全に箱の形になったものを

見ておきたい、という場合はこの2種類の選択になるかと思います。

では、「簡易校正」です。

こちらは簡単に言うと性能の良いカラープリンターで出力することを指します。

当然ながら紙もインキも実際のものでは無いので色見本としては↑2つに劣ります。

とはいえ近年は随分性能も上がり簡単なものならこちらでも十分というものも増えております。

当然費用もお手軽になります。

最後に「データ校正」

データをPDFなりに変換してお客様に確認していただく。

これだけです。まず色見本にはなりませんので基本的には

文字の確認やデザインの確認のためだけのものと思っていただけると良いかと。

ただデータ上のやりとりだけですので時間も費用もずっとお手軽です。

以上が大まかな紹介になります。

色校正もちょっとした工夫で、紙箱の仕上がり納期が・・・

色校正時、ちょっとしたことで再校正になりますと

費用面でも・時間面でもロスをすることになり、

お互い何の得もないので、出来うることなら

初校で一発OK!と行きたいものですし、

色校正ですから、もちろんどうしても、もう少し

明るくしたい・もう少し青くしたいとなって再校正・

再々校正・・・と、確認するのは致し方ない部分は

ありますが、1回でも校正回数が少なくなることに

不満を感じる方はほとんどいらっしゃらないと思います。

そこで、ご提案するのは、校正の際に色玉を

付けてあげるということです。

『ここの色は何%のアミにしようか?85%?90%?

・・・・・う~ん、それとも80%???』

なんて悩んだことはありませんか? また、、、

『校正は1回だし、そのためだけに再校正になると

もったないないし。。。』

なんてことも??

じゃあ、全部付けましょうよ。ということです。

2016021302

(上記画像内数字が100%ベタ内の『模様』の%です)

本体部分は、もちろんお見せできませんが、上記のように

何パターンか色玉(風?)に色校正の本体の横にでも

つけてみれば、だいたいの雰囲気は分かりますよね。

であれば、わざわざ再校正せずとも、このパターンから

選べるので、無駄な時間も費用もかかることがなくなるので、
お客様も我々もハッピーです。(笑)

また、アミ%だけでなく、掛け合せの色だって大丈夫です。

(下記は、ちょっとやり過ぎかもしれませんが・・・)

2016021301

紙箱の改版にあたって、校正の方法を考える。色は?

前述で校正について、

その種類とそれぞれの差を簡単に紹介したのですが、

この章では、商談の中で出てきた事を例に挙げて

改めて校正についてお話してみたいと思います。

さて、その商談の内容ですが長年リピートを頂いている商品が

今回改版になるということで校正が必要なのですが

あまり費用を掛けられないというものでした。

まず費用を掛けられないということであるならば

データの編集費以外ほとんど費用の掛からない

データ上のPDFなどを使用した確認作業があるのですが、

これは完全にデザインや文字等の確認が出来るぐらいで

色の具合などはまったく参考にできませんので、

今回の改版されるデザインが写真画像などを

乗せる予定があるため却下になりました。

つぎにデジタルコンセンサスでの校正ですが

これは本紙校正に比べて安価に行えますし

網点の再現具合なども随分性能が向上したこともあって

レギュラー4色を使用する分には本紙校正に

決して劣らないほどの正確さがあります。

しかし、色とは別の問題で出力紙を使用する

プリンターのような薄紙に色を出力する都合上、

実際に箱にしてみてその使用感を見てみることは出来ませんし

他にも表面加工を施すこともできませんので

その辺りが本紙校正に比べると劣る部分になります。

また本紙校正ならばそれを箱の形状に切り取り

両面テープなどで糊しろを接着してやれば

そのまま商品の実物サンプルとしての使用・展示もできるという利点もあります。

今回の商品はリピートものであり箱の寸法や形状に変化はありませんので

箱としての使用感は見る必要がありませんので

その辺りはデジコン使用で問題ありません。

ただ、PPラミネートを表面加工として施しますので

印刷されたデザインにPPラミネートが貼られた状態で

どの程度変化するのかは予想することができません。

ここが気にされておりました。

とはいえ、それらを解決するために本紙校正を行うとなると

費用的につらい。と。

結局色々と逡巡された結果、PPラミネートによる影響は少し気になるものの

今回はデジコンにて校正を行うこととなりました。

費用と納期に余裕があれば、なるだけ本紙校正でいきたいところですが

いつもそう言ったことばかりではありませんので

出来うる限りお客様の要望に最も近い方法を提示できるよう心懸けたいところです。

PDFは紙箱の色校正前に役立つファイル形式です!!

この章のお題は”PDF”です。

前章でも述べている中に出てくるPDFという言葉・・・

PDFとは、アドビシステムズが開発した電子上の文書に関するファイルフォーマットで

Portable Document Formatの略です。

私達がこのPDFファイルを利用する場面は校正段階に集中します。

印刷のデザインデータはおおよそイラストレーターで作成されたAiデータで、

このAiデータは互換性が低い為(表示、加工作業出来るソフトが限られている)、

木型の型図等は専用ソフトにて互換性の高いEPSデータとしてAiデータに合流させたり、

我々一般作業者が閲覧、確認する為にはアドビシステムズの無償ソフト、アドビリーダー等で

簡単に開けれるPDFデータが使われるのです。

イラストレーターで作られたPDFは情報量も豊富で、属性の情報やサイズまでも正確につかめ、

PDFを加工修正するソフトがない場合でも、等寸出力が出来ますのでA3サイズまでに収まる

台紙や小箱であれば出力紙による寸法確認まで出来るのです。

また、PDFデータ自体を加工修正できずとも、PDFデータに加筆出来るフリーソフト等で

訂正指示や注意事項をデータ上に加える事が出来、まさしくPC上でのカンプ指示のやり取り

が紙データーの様に行われ、メールでやり取りすれば時間短縮にもなり非常に便利なのです。

私も印刷データのやり取り以外にも、訂正・改正の恐れの少ないデータとしてエクセルの見積書を

PDF化してメール送信していたり。お客様のFAXや紙面での指示等を、PDF化してメール転送

すれば、指示内容がぶれることなく次の指示として伝達出来たりします。

更に当社では現在、協力製版会社様と連携を取り、3DPDFというデータ提供を考えています。

この3DPDFは、デザインデータを専用のCADソフトで3D化しPDFにしたもので、アドビリーダー

で3Dデータとして、PDFの確認画面上で回転させる事が出来るのです。

この事によって、製品仕上がり後のイメージを掴みやすく、デザイン上の文字の大きさや向き、

角度等が平面データより3Dデータの方が直感的に分かり易く確認することが出来ます。

ただ、あくまでも確認できる範囲がディスプレイ上のことなので、発色が本番印刷と異なる

幅が広くなり、データ校正の域を出ません。次章はそのあたりの事を・・・

紙箱の印刷デザインをデータ校了する時の色の違い。

校正の種類についていくらかご紹介をいたしましたが、

その中の「データ校正」については

文字やデザインの確認には使えても

色見本としては使用できない。と書きました。

では、何故そうなのか?を紹介したいと思います。

~データ校正が色見本にならない理由~

1、お客様と印刷会社との色の共有が難しい。

例えばお客様が作成したデータを印刷会社に送信したとしても

そのデータを展開するモニタがお客様が眺めている色と

同じ色を展開してくれるかどうかはわかりません。

これはモニタ(というよりはパソコン)の性能や状態

はたまた周りの環境の状態等によってモニタの色に差が出来るためです。

そして、他の校正のように実物が無いのでお互いが

同じ色を見ることができず、結果色の共有が出来ない。というわけです。

2、そもそも色の表現方法が違う。

パソコンの画面や照明等は加法混合すなわち

光の3原色であるRGBの発光を組み合わせることで

様々な色の表現を行います。

色を表現する方法が光を足していくことから

加法混合と呼ばれます。

それに対して印刷物は減法混合によって色表現を行います。

こちらは色の3原色と呼ばれるCMYを組み合わせることで

それぞれがRGBの中から特定の光を吸収することで反射する光を限定します。

光を減らしながら色表現を行うことから

減法混合と呼ばれます。

と、このようなことからデータ校正では色見本として使用することは

難しいというわけです。

色校正が校了したら次は本番印刷。オフセット印刷の仕組みについて少し・・・

印刷方式には大きく分けて

『平版印刷』 『凸版印刷』 『凹版印刷』 『孔版印刷』

の4種類があります。

詳しくはこちらをご覧ください。

この中で、オフセット印刷は『平版印刷』になります。

特徴としては、細かなアミ点までキレイに出せるので再現性に

優れており最も美粧性が高い印刷方式です。また、短時間で

大量の印刷が可能であり、量が増えれば増えるほど単価が

安くなること、という2点が一番の特徴として上げられます。

さてさて、ここからタイトルの『オフセット印刷の仕組み』に

入って行くのですが・・・まずは刷版!

オフセット印刷ではPS(Presensitized Plate)版というアルミ製の

板を使用します。このPS版には元々親油性の感光剤が塗ってあり、

そこに紫外線や赤外線を照射⇒現像することにより、親油性の感光剤

が洗い流され、親水性の面が出てきます。

この新油性の部分と・親水性の部分とに分けることにより印刷の版と

なります。

・親油性部=印刷有り部分

・親水性部=印刷なし部分

【なお、これは現在では主となりましたCTP(Computer to Plate)の

場合で、それまではフイルムを一度出力後、PS版上にこのフィルム

をのせて焼きつけるアナログ刷版という手法でした】

そして、このPS版を印刷機に取り付けて印刷をするのですが、

これはなかなか説明が難しいので、まずは下記画像をご覧ください。

201601161

① 版胴の部分にPS版を巻きつけるように取り付けます。

② 回転する際にまず水ローラーより水を付けます。

※これにより、先程、親水性にした部分に水が付きます。

③ 次にインキローラーでインキを付けます。

※この際、PS版の端から端までインキを供給しますが、

先程の水の付いている部分には、水と油の関係からインキは

付かず、残った親油性の部分にのみインキが付きます。

④ 版につけたインキは、いったんゴム製や樹脂製のブランケット

に一度転写します。

⑤ ブランケットに転写されたインキが紙に再度転写されます。

これが1つの胴の内部の仕組みで、1色につき1胴必要です。

ので、カラー4色(CMYK)の印刷をする場合は、4つの胴を

通さないといけません。

これが、オフセット印刷の仕組みですが、分かりましたでしょうか?

ちなみに『オフセット』という言葉の由来は・・・

ブランケットにいったんインキをうつし移し(Off)、

そのブランケットを介して印刷用紙に転写される(Set)

ことから『Off Set = オフセット』と呼ばれるようになりました。

色校正の事について、長々と書き連ねましたが。

印刷するにあたって、基準となる色見本を正確に作ることが、

本番での色のブレを少なくする最良の方法です。

内容によっては、確認事項をディスプレイだけで済ませることが出来る

改版のデータ校正もありますが、初版での校正にはやはり本紙校正、

ないし簡易校正が必要となります。

お客様の印刷立ち合いにおいても、勿論この色校正が基準となるます。

御納得のいく色を、効率よく、費用を大きく掛けずに素早く作成することが、

紙箱制作の重要なポイントとなります。

ご質問・ご相談は下記よりお気軽にお問合せ下さい。
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